犬では、齲歯(虫歯)よりも歯周病を罹患するケースが圧倒的に多いため、食餌管理にも気を配ったデンタルケアが重要とされている。しかし、歯科用療法食や歯磨きを嫌がる個体もおり、ペットオーナーや獣医師への攻撃性行動を認めることは珍しくない。故に、歯磨きと同等の効果を発揮するオヤツとして、デンタルガムが多用されるのだが、更なる商品の改良には、犬の歯の構造学的および力学的(歯・顎の動き方)な解析が大きな意味を持つと考えられる。
そこで、ウォルサム研究所は、精巧な犬の歯の模型に歯垢を再現したチューイングロボットを用いて、製品の性能(歯垢を落とす力を数値化)と安全性について検証し、デンタルガムの開発を行っている。
犬の歯科トラブルは、前述のデンタルケアの可否に留まらず、ペット用品(ボール、ケージ)や家具の脚など、「口に入れられる物」全てに起因する。
今後、チューイングロボット試験が、「犬の歯を守る飼育環境」を啓蒙していくために、生活用品に幅広く応用されることに期待したい。
参考ページ:
https://www.waltham.com/dyn/_assets/_pdfs/RootedinScience_oralcareproducts.pdf
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