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イギリス国内の純血種の白い猫における感音性難聴の有病率を明らかにした研究

投稿者:武井 昭紘

白地の被毛・皮膚に青い眼。
神秘的で、実に美しく、不思議な魅力を放つ配色の猫に見惚れる方は多いのではないだろうか。

 

しかし、その美貌の裏には、「感音性難聴(congenital sensorineural deafness、CSD)」と呼ばれる内耳の機能に異常をきたして聴力が極端に低下する疾患が潜んでいることが知られている。

 

では、果たして、どうような品種や身体的特徴で、CSDは発症しやすいのか?

2019年5月、ここに焦点を当てて、一般家庭で飼育されている子猫を対象に調査した研究が、獣医学的なリサーチを主な活動とする慈善団体Animal Health Trustから発表された。なお、同研究では、白色の毛・皮膚を有する様々な純血種(6~21週齢)130匹以上が対象となっており、全体の約30%がCSDに罹患していること、青い虹彩を持つ個体は青色以外の虹彩の個体よりも約3倍CSDに罹患しやすいことが判明している。また、特に高い有病率(40%以上)を示したグループは、ターキッシュ・バン、メインクーン、ノルウェージャンフォレストキャットの3品種であったとのことである。

上記のことから、該当する純血種で、且つ、美しい青い眼を持つ子猫を飼育することを検討している家庭では、感音性難聴の有無を「購入前に」明確することが望ましいものと思われる。加えて、今回紹介した研究が、猫の福祉向上を念頭に置いたブリーディング計画の作成へと繋がっていくことに期待したい。

本稿内に記した3品種には及びませんが、CSDに罹患する純血種として、ブリティッシュショートヘア、デボンレックス、ペルシャ、ロシアンホワイトも挙げられております。

 

参考ページ:

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/31144374


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