ニュース

犬の認知機能と歩行速度との関連性を調べた研究

投稿者:武井 昭紘

ヒトの認知症、犬の認知機能不全を悪化させる要因、または、進行を防ぐ要因は多種多様で、その中の一つに「歩行速度」がある。具体的には、ヒトに歩行速度の低下は、その人物の認知機能の低下や認知症の発症に関連している可能性があるというのだ。そこで、疑問が浮かぶ。犬は高齢になると歩行が難しくなる、あるいは、歩行がゆっくりになる場合がある。この犬の歩行の変化は、彼らの認知機能に影響を与えるのだろうか。

冒頭のような背景の中、ノースカロライナ州立大学は、それぞれ45匹を超える成犬(現在の年齢が予想される寿命の75%未満)と高齢犬(現在の年齢が予想される寿命の75%以上)を対象にして、リードが付いている時およびリードを外した時の彼らの行動を観察する研究を行った。なお、同研究では、整形外科や神経学的に異常を認める個体や盲目の個体は対象外となっている。すると、リードを外した状態、且つ、オヤツに向かっていく時の歩行速度は、犬の注意力とワーキングメモリ(行動の目標やプランを記憶する力)に関連していることが判明したという。

上記のことから、犬の歩行速度(リードが無い状態)の低下は認知機能の一部の低下に関与していることが窺える。よって、今後、認知症予防効果を有する歩行トレーニングが開発され、余生を楽しく過ごせる(QOLを悪化させることなく過ごせる)犬とオーナーが増えることを願っている。

診察室で高齢犬の歩行を観察する場合は、リードを外すことをお薦めします。

 

参考ページ:

https://www.frontiersin.org/articles/10.3389/fvets.2023.1150590/full


コメントする