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断耳術が違法とされるイギリスにおける「その違法性」の認知度を調べた調査

投稿者:武井 昭紘

イギリスでは、2006年より犬に断耳術を施すことが法律で禁止となつている。その一方、インターネットやSNS上には、あたかも「その姿」で生まれてきたと思わせる断耳術後の犬の顔がアップされている。そう、痛みや麻酔のリスクを乗り越えた犬の容姿が、さも当然のように「正しい」と思われているのだ。また、海外で断耳術を受けた犬の輸入は合法で、その数は増えていると推計されている。ここに動物福祉上の問題がある。そう考えた組織Battersea Dogs and Cats Home(イギリスのロンドンに拠点を置いて犬猫の保護や里親探しから獣医療の提供まで行う慈善団体)が一般人の断耳術に対する意識を統計学的に調査をした。なお、詳細は以下の通りである。

 

◆イギリスで暮らす一般人の断耳術に対する意識◆
・回答者の80%が手術で外見が変わっている犬を認識できなかった
・18〜29歳の3 分の 1 以上がインターネット上で断耳術を受けた犬の画像を見ていた
・18歳〜30代は40代以上に比べて断耳術に反対する可能性が低かった
・回答者の20%以上は犬が断耳術を受けることに肯定的であった

 

読者の皆様におかれては、自分の耳が手術で切られることどう感じるだろうか。良い気分はしない、嫌だ、最悪と思うならば、それを犬に強いることもすべきではないだろう。最近では、日本でも断耳術を受けていない犬が散歩している様子を見ることができる。その子が断耳術を受けていなくとも、皆、楽しそうで幸せそうであった。つまり、耳を切ることが犬の運命や幸せを形作る決定的なファクターとは言えないのだ。彼らの生来の姿をありのままに受け入れる。それだけで痛みを伴う断耳術は不要となる。どうか「間違った正しさ」に惑わされることなく、そのままの彼らを愛して頂けると幸いである。

海外で断耳術を受けた犬のイギリスへの輸入を禁じる法律が成立することを期待します。

 

参考ページ:

https://mrcvs.co.uk/en/news/22396/Most-people-unaware-cropping-dogs’-ears-illegal,-survey-finds


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