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劣悪な多頭飼育環境から保護された猫に対するガバペンチンの効果を検証した研究

投稿者:武井 昭紘

保護された猫の反応は様々だ。攻撃的になり、一か所にうずくまり、排尿・排便をせずに食べもしない。慣れない環境、見慣れないヒトに怯え、ストレスを募らせるのだ。しかし、それでは進展しないことがある。里親が見付からなくなるのである。では如何にして、彼らの不安やストレスを軽減させるのか。そこが問題である。

冒頭のような背景の中、カナダのブリティッシュコロンビア大学およびアメリカ動物虐待防止協会(American Society for the Prevention of Cruelty to Animals、ASPCA)は、アニマルホーディング(同時期に多くの動物を飼育して世話が行き届かない状態)から救われ保護施設に移動した、且つ、恐怖やストレスを感じていると判断される猫32匹を対象にして、神経系の興奮を抑えるガバペンチンの効果を検証する研究を行った。なお、同研究では猫を①ガバペンチン投与群(10 mg/kg BID)と②プラセボ群に分け、両群の行動が比較されている。すると、②に比べて①では、ストレスのスコアが低く、隠れる行動を辞めるまでの時間、排尿を我慢する時間、里親が決まるまでの時間が短くなることが判明したという。

上記のことから、ガバペンチンは猫の恐怖やストレスを軽減し、保護施設での生活を穏かなものにすることが窺える。そして、結果として、里親が見付かるまでの時間が短くなるという効果も付随していることが分かる。よって、今後、ガバペンチンを適用する猫とその必要が無い猫を判別するための基準・指標を設定する研究が進み、世界各地の保護施設から恐怖やストレスに苦しむ猫が1匹でも多く減ることを期待している。

①の里親が見付かるまでの時間は②の半分だとのことです。

 

参考ページ:

https://avmajournals.avma.org/view/journals/javma/aop/javma.23.01.0044/javma.23.01.0044.xml


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