『彼らはケンカをしているのか、はたまた、じゃれて遊んでいるだけなのか?』
取っ組み合いをする猫たちの様子を見て、ふと疑問を抱くヒトは少なくないと推察する。ケンカと遊び。それは両極に位置する。ケンカには敵意、遊びには親しみの気持ちが込められているのだ。それに、もしかしたら、一方の猫は親しみを持っていて、他方は嫌がっているといった「スレ違い」も起きているかも知れない。果たして、真相は何処にあるのだろうか。
冒頭のような背景の中、イギリスとスロバキアの大学らは、オーナーに協力を仰ぐとともにYouTubeも活用して、一般家庭で飼育されている猫200匹以上、計100件以上にも及ぶ取っ組み合いの動画を解析する研究を行った。なお、同研究では、猫の行動学に精通した4名の専門家に動画を視聴してもらい、そこに映る2匹の猫の様子を①遊び感覚、②中間的(遊びと敵意の間)、③敵対的の3つのグループに分けるシステムが採用されている。すると、お互いに取っ組み合いを仕掛ける行動は①に、唸り声や相手を追い回す行動は③に、これら2つのタイプの行動様式を兼ね備えて長期的な取っ組み合いをする行動は②に関連していることが判明したという。
上記のことから、唸り声や追い回す行動が伴った短期的な取っ組み合いをする猫2匹は敵対していると考えられる。よって、そのような行動をする猫たちには、エスカレートして関係が完全に崩壊する前に、一時的にでも距離を取らせることが重要だと思われる。
参考ページ:
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/36702848/
https://www.cats.org.uk/help-and-advice/cat-behaviour/cat-body-language