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犬と猫の変形性関節症に対する療法食および栄養補助食品の効果をレビューした研究

投稿者:武井 昭紘

高齢の犬や猫に一般的に認められる変形性関節症は、関節の痛みを伴って彼らのQOL(生活の質)を悪化させる特徴を有している。そのため、その痛みのコントロールを目的とした治療法が適応されることが通例となっている。では実際のところ、何れの治療法が有効で、何れの治療法に効果が無いのだろうか。これから訪れる、いや既に訪れているペットの高齢化社会において、この謎を解明することは大変に重要である。

冒頭のような背景の中、モントリオール大学は、過去に出版された文献1600件近くをレビューする研究を行った。すると、変形性関節症の犬猫に療法食、栄養補助、サプリメントを投与した72件のトライアルが見付かり、ω3を強化したフード、ω3を配合したサプリメント、カンナビジオールに鎮痛効果があることが判明したという。一方、①コラーゲンの鎮痛効果は弱く、②コンドロイチンや③グルコサミンに至っては効果が無いことが分かったとのこである。

上記のことから、罹患動物にはω3を含む食品を給与することが望ましいと思われる。よって、①②③を使用した治療でコントロールできない変形性関節症の症例を抱えている獣医師は、ω3を含む食品による治療へと変更することが良いものと思われる。

参照された論文は57件にも及ぶとのことです。

 

参考ページ:

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/36142319/


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