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静脈内留置に対する犬猫の反応を和らげる方法について検証した研究

投稿者:武井 昭紘

「保定8割」と言われる動物医療の現場において、検査、処置、治療の対象となっている動物が動かないことは大変重要なことである。では如何にして、それを実現するのか。その方法を考案し、アップデートしていくことが、獣医学の永遠の課題である。

冒頭のような背景の中、イギリスの動物病院は、救急外来を訪れ、且つ、静脈内留置が必要と判断された犬猫100匹を対象にして、冷却スプレーの効果を検証する研究を行った。なお、同研究では、①スプレーを適応する群と②生理食塩水を適応するコントロール群の2つにグルーピングされ、①ではスプレーを吹きかけたスワブが、②では生理食塩水を浸み込ませたスワブが留置挿入部位にあてがわれている。すると、保定時、四肢を掴んだ時、スワブを適応した時、皮膚に留置針を刺入した時の何れでも、両群の反応に有意差は認められなかったとのことである。

上記のことから、冷却スプレーには「動物の動きを止める効果」は無いと考えられる。よって、今後、この効果を発揮するであろう手法が考案され、その有効性を検証する研究が数多く計画され、動物にとっても医療従事者にとってもストレスの少ない静脈内留置が確立することを期待している。

両群の動物種、年齢、品種、性別、精神状態を数値化したスコアには差がなかったとのことです。

 

参考ページ:

https://onlinelibrary.wiley.com/doi/abs/10.1111/jsap.13504


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