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フレンチ・ブルドッグが抱える健康問題を浮き彫りにした研究

投稿者:武井 昭紘

短頭種の代表格であるフレンチ・ブルドッグは、日本を含めて世界各国で非常に高い人気を誇っている。しかし一方で、同品種は、生活の質に深刻な影響を及ぼす多く病気を抱えやすいことが知られている。果たして、彼らの陥りやすい健康問題(なりやすい病気)とは。そして、それを防止する(減少させる)手段とは。動物福祉に注目が集まる現代において、これらの真実と課題を浮き彫りにすることは大変重要だと言える。

冒頭のような背景の中、王立獣医科大学(Royal Veterinary College、RVC)は、2万匹以上の犬(2700を超えるフレンチ・ブルドッグを含む)の診療記録を解析する研究を行った。すると、フレンチ・ブルドッグは、43の一般的な健康問題(リンク先でご参照下さい)の約47%で高い発症リスクを有しており、他の品種と比べて鼻孔狭窄に約42倍、短頭種気道症候群に約30倍、耳だれに約14倍、皺壁性皮膚炎に約11倍なりやすいことが判明したという。

これを受け、RVCは、当該品種を「典型的な犬」と認識することはできないと結論付けた。また、彼らの直面している健康問題は、その極端に変形した骨格が原因だと訴える。
そして、彼らを購入する前に、立ち止まって考えて欲しいと。皆様は、それでもフレンチ・ブルドッグを飼いたいと思うだろうか。多くの健康問題(病気)を抱えて苦しむかも知れないフレンチ・ブルドッグの姿をイメージしながら、熟慮して頂けると幸いである。

フレンチ・ブルドッグが「なりにくい」病気も明らかになっておりますので、ご興味のある方はリンク先をご覧になって下さい。

 

参考ページ:

https://cgejournal.biomedcentral.com/articles/10.1186/s40575-021-00112-3


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