ニュース

犬の脾臓に認められたマスが悪性である可能性を数値化するオンラインツール

投稿者:武井 昭紘

画像診断にて犬の脾臓にマスが認められた。
良性か悪性か。
出来得ることならば、手術に臨む前に知りたい。
また欲を言えば、FNAなど侵襲的な検査をする前に。

 

その願いを叶えるべく、アメリカのタフツ大学らは、あるオンラインツールを公開している。なお、同ツールは、以下に示す8つの変数(臨床検査所見)の入力を要求し、そのデータを基に、悪性腫瘍である可能性を瞬時に算出してパーセンテージで表示するシステムとなっているという。

◆脾マスが悪性である可能性を算出するために必要な入力データ◆
1.血清中総タンパク質濃度(TP)
2.腹水の程度
3.脾マスの均一性
4.肝結節の数
5.nRBCs/100 WBCs(白血球100個に対する有核赤血球の数)
6.脾マスの直径
7.脾マスの数
8.腸間膜または大網の結節の数

 

このツールは、脾臓摘出術(脾マスの摘出が目的)を受けた犬400匹以上のデータを集積して構築された。そして、精度の検証に100匹の犬が参加したとのこと。果たして、同ツールは世界的に普及して、脾マス(特に悪性腫瘍)を抱えるの犬の命を1匹でも多く救う原動力となるか。今後の動向に注視したい。また、読者の皆様がそれぞれにツールを活用し、その有用性を体感して頂けると幸いである。

システムの構築に使用されたデータの大多数は中年齢以上の中~大型犬のものであるため、若齢や小型犬に同ツールは適応できない場合があると、タフツ大学らは述べております。

 

参考ページ:

https://avmajournals.avma.org/doi/abs/10.2460/javma.258.12.1362


コメントする