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World Rabies Dayに合わせて実施された狂犬病ワクチンの無償提供

投稿者:武井 昭紘

9月28日は、狂犬病ワクチンを開発したフランスの微生物学者パスツールの偉業を讃えるとともに、狂犬病という致死的な感染症を撲滅するための記念日として、World Rabies Dayに指定されている。故に、当日が近付いてくる度に、今年も、狂犬病の脅威、狂犬病を予防する方法、犬に咬まれた時の対処方法等、様々な防疫や公衆衛生に関する情報が世界中から続々と発信され、現在でも、SNS上には、その貴重な投稿が残されているのだ。

そして、筆者は、それらの中に、ある動物関連企業の慈善活動を紹介した一つのツイートを見付けた。

 

「感染症と闘うべく、ベーリンガーインゲンハイムが狂犬病ワクチンを寄付した」

なお、同ツイートおよびリンク先のウェブページによると、オーラベット、セミントラ、フロントラインシリーズなど、日本でもお馴染みの動物用医薬品の数々をリリースするベーリンガーインゲンハイム(寄付をしたのはアメリカの会社)が、カリブ海の北東に浮かぶプエルトリコに、犬60000匹に接種できる狂犬病ワクチンを寄付するとのことである。

さらに、ベーリンガーインゲンハイムは、ヒトが発症するれば99%死亡するがために、年間59000名(1日に160名)の犠牲者を出し、その半分は子供たちという厳しい現実を叩き付ける非常に恐ろしい狂犬病という感染症を撲滅するために、闘い続けると述べる。

 

このような防疫に関する積極的な慈善活動は、WHOらが提唱する2030年計画を念頭に置くと、狂犬病発生国を近隣に持つ日本でも必要なことではないだろうか。よって、今回紹介したアメリカにおける事例をモデルに、本国で動物医療またはペット関連事業を展開する企業・組織が協力して、アジア圏全体を「狂犬病が発生しない清浄地域」に変える活動計画が考案され、撲滅への大きな一歩が踏み出されることに期待したい。

ベーリンガーインゲンハイムは、プエルトリコで実施される動物の去勢・不妊手術サービスを支援するために、220万ドル(約2億3700万円)相当の医薬品も寄付しているとのことです。

 

参考ページ:

https://www.boehringer-ingelheim.com/press-release/world-rabies-day-2019


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