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世界の動物愛護と殺処分 コラム<その2>

投稿者:AsaT

日本での動物愛護に関する意識

日本ではと自治体の取り組みや民間団体の保護活動が進み殺処分は少なくなっていますが、遺棄動物の件数は減っていません。多くのペットが気軽に手に入る日本では、飼い主への意識変革がまだ必要とされています。

日本の殺処分のデーターを見ていきましょう。

1974年(昭和49年)>
保健所等引き取り1.520.000匹(内訳犬1.187.000匹、猫63.000匹)
殺処分1.221.000匹(内訳犬1.159.000匹、猫63.000匹)

この時代は、ペットを飼うというより使い捨ての意識が強く、捨てられたペットが野良犬猫となり、鳥獣保護法の下での狩猟対象にもなっていました。人や他の動物への危害の対象として、公序良俗に反した生物とされていました。

2004年(平成16年)>
保健所等引き取り418.413匹、殺処分394.799匹で、引き取りの94%が殺処分。

2018年(平成30年)>
保健所等引き取り91.939匹、所有者不明(飼育放棄)77.763匹で全体の85
殺処分は38.444匹、引き取りの42%が殺処分。

2018年のデーターから、所有者不明の引取りが多いことが分かります。捨てられ引き取られた件数では、離乳していない幼齢の個体数がイヌで18%、ネコで60%。飼育する以上に増えた新生児の放棄といえます。愛情が無くなったり、病気やけがの費用負担問題や、引っ越し等で手放す飼い主が一定数いるのです。

また、善意で保護した人が、避妊の知識もないまま増やしてしまい、トラブルの原因になったケースも報告されています。

「動物の愛護及び管理に関する法律」では、動物がその命を終えるまで適切に飼育する義務を課していますが、愛玩・伴侶として手元に置いた飼い主に、命を守る飼育思想が普及しているとは言えない現実があります。

言葉を話すことができないペットにとって、飼い主こそがペットの命と生活を護持する唯一の存在です。「ペット・飼い主・動物病院」の密接な関係が、今、ペット飼育に求められています。飼育に関しての様々な相談は動物病院が主になっている飼い主が多く、その期待に応える事の出来る動物病院が求められていると考えられます。

世界の動物愛護と殺処分 コラム<その1>はこちら
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世界の動物愛護と殺処分 コラム<その2>

 


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