動物病院に来院する飼い主さんは、とても愛犬を大切にしている方が多いと思います。でも、私たちヒトと犬を同じ生き物だと考えている方もいるようです。
川村動物クリニック院長の川村康浩先生の記事によると、「うちの犬にはキャベツや肉や米を煮込んで手作りごはんを与えているんです」という飼い主さんが多いそうです。
犬とヒトは体の構造が大きく異なっていて、犬は腸の構造が短いため、肉食に近い雑食。ヒトは腸が比較的長く、植物性の食物を主食とした雑食。ヒトとは食べるものが大きく異なることが理解されていないという。
ヒトと同じ感覚で犬の食生活を考えてしまうが、犬の食性を理解してフードを選んだり、手作りご飯を作ってあげることが大切なようです。
ほかにも、私たちヒトは体にほとんど毛がないが、犬は全身を毛で覆われている。ヒトは全身から汗をかくことができるが、犬は非常に暑さに弱い動物。異なる動物が同じ空間で生活していることを理解し、犬に合わせた生活が大切だそう。
犬の食性や体について知らない飼い主さんも多いため、診察時のちょっとした会話や病院からのお知らせなどでお伝えできると良いかもしれませんね。
私は飼い主さんに「ウサギは草食なので肉を食べれば著しく健康を害します。犬はほぼ肉食なので草を食べれば体を壊します」と説明します。
＜河北新報 2017年07月28日＞
人間と犬。体の仕組みの違いを知ることが、良好な関係を築く第一歩だ＝仙台市泉区、東北動物看護学院
