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おり損壊、動物もパニック… 震災に動物園はどう対応?

投稿者:AsaT

昨年4月に発生し甚大な被害をもたらした熊本地震。当時、熊本市内の動物園では何が起きていたのか。

記事では被災し休園を経て、今年の2月に部分開園をした熊本市動植物園(熊本市東区)に、当時の様子や大規模災害からの教訓や現在までの歩みを聞いている。

同園は約110種類の動物と約5万点の植物を見る事ができる動植物園。大地震が発生したのは2016年4月14日の午後9時26分。同園獣医師の上野明日香さん(38)は帰宅途中の車の中で大きな揺れを感じる。

急ぎ園に戻るが、「猛獣脱走」を想定して驚かせるための傘、麻酔銃、吹き矢を持ち、集まった職員5人で獣舎の見回りをした。

園内は真っ暗で、地面は凹凸で配水管が壊れてところどころから水が溢れていたそう。動物たちが怯えて鳴く中、動物と獣舎の安全が取れた。

しかし、翌15日には水道が破損したため動物たちの飲み水が確保できなくなり、福岡と大分の水族館が夜までにタンクで水を運んでくれたという。

16日には再び震度7の本震があった。動物たちには心的影響が出ており、アフリカゾウは走り回り、シマウマは壁にぶつかり、食事が取れなくなるサルや、チンパンジーは悲鳴をあげて10日間食欲が戻らず、ユキヒョウの運動場には隙間ができて寝室から出せなくなった。

そのため、日本動物園水族館協会(JAZA)の調整で、猛獣5頭は他の九州の4園・館に引き取られたという。

同園は毎年、猛獣脱走訓練を行っていたが、地震発生時は夜間で、もし動物が脱走していてもどこにいるのか探し出せなかった危険性もあったほか、地震発生時にはスタッフ間の電話も繋がらない中での対応だった。

こうした教訓を生かし、スタッフ間での連絡は無料通信アプリLINEで行う、無線を全員がもつ、災害マニュアル作成も検討中だという。

こうした大規模災害時にどう対応するのか、実際は多くの施設で決まっていないのが現状で、JAZAが今年中にもマニュアルを作成する動きもあるようだ。

上野さんは「夜間訓練はどこの園も行っていないと思う。物資確保など、状況に合わせた想定は必要」と話す。


http://kachimai.jp/feature/arumachi-project/proj3.php

<十勝毎日新聞 6/26(月) 10:48配信>

施設だけでなく、地面の傾きやひび割れなど大きな被害を受けた熊本市動植物園の園内

施設だけでなく、地面の傾きやひび割れなど大きな被害を受けた熊本市動植物園の園内

 

 

 

 

 

 

 


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