小動物臨床において、血清に含まれるマイクロRNA(microRNA)は、循環器、消化器、泌尿器、皮膚に生じる疾患や腫瘍を診断し、治療反応性を評価し、そして予後を判定するマーカーとして注目されている。また、実験レベルではあるが、急性膵炎を抱えた犬の血清中にもマイクロRNA(miR-216a、miR-375)は過剰に発現することが知られているのだ。そこで、疑問が浮かぶ。miR-216aおよびmiR-375は、犬の急性膵炎に関する診療にとって有用なバイオマーカーとなり得るのだろうか。
冒頭のような背景の中、韓国の忠北大学校は、①臨床上健康な犬と②急性膵炎の犬を対象にして、彼らの血清中miR-216a、miR-375レベルとCRP(C反応性タンパク質)を測定する研究を行った。すると、①と②のmiR-216aには有意差が認められないものの、miR-375は①と②を判別する指標として有用であり、且つ、CRPと正の相関関係にあることが判明したという。加えて、miR-375は急性膵炎を治療すると減少することが分かったとのことである。
上記のことから、miR-375は犬の急性膵炎を診断するマーカーになり得ることが窺える。また、当該疾患の治療反応性を評価するマーカーとしても有用だと考えられる。よって、今後、血清中miR-375レベルの測定を犬の急性膵炎に関する臨床検査に組み込むための研究が進められ、致死的経過を辿ることもある当該疾患の早期診断・早期治療が実現し、救命率が向上することに期待している。

残念ながら、miR-216aは膵特異的リパーゼと相関関係になかったとのことです。
参考ページ:
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/36461714/


