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楽しいバーベキューに潜む犬の危機的状況について注意喚起するイギリス獣医師会

投稿者:武井 昭紘

夏場、温かい暑い季節に良く行われるバーベキューは、犬にとって鬼門である。炭火の近くに用意された新鮮な野菜や肉類。串に刺して、あとは焼くだけの準備万端な状況。いざ始まれば、傍らに居る犬の存在を一瞬忘れてしまうかも知れない。彼らが肉類の食べ残したが付いた串や骨、食べ終わったトウモロコシの穂軸、地面に落ちたタマネギに囲まれていることを・・・・・。

 

2023年8月、イギリス獣医師会(British Veterinary Association、BVA)が、同国の小動物臨床に従事する獣医師を対象に実施した調査の結果を発表した。それは、楽しいバーベキューに潜む犬の危機的状況に関するものだった。そして、その状況を回避することの重要性、その状況が発生した時の対応を訴えるものでもあり、詳細は以下の通りになったという。

◆楽しいバーベキューに潜む犬の危機的状況(2022年現在)◆
・5人に2人、39%の獣医師がバーベキューに関連したトラブルに遭った犬を診察した(2018年は25%であった)
・そのトラブルの最も一般的な原因は「食品の不適切な取扱い」であった(全体の32%)
・この原因の25%はトウモロコシの穂軸、18%は骨が占めていた
・13%の獣医師が串で負傷した犬に遭遇した
・2%の獣医師が石炭や石炭で熱された物に接触した犬の火傷を診察した
・誤って飲み込んだ串が胃と膵臓を貫通し、串の先端が皮膚を突き破って体外にでた症例がいた
・ひび割れた皿を舐めて舌を負傷し、動くたびに口が血が飛び散る症例もいた

 

BVAは述べる。『バーベキューの時は犬から目を離してはいけない』と。『彼らの口や足が届く範囲に食品、串、石炭を放置してはいけない』と。また、『バーベキュー後に犬が体調不良となった場合は様子を見てはいけない』と。よって、「もかしたら」と思った時点で、躊躇わず、すぐに動物病院に相談することを心掛けして欲しいと思う。時間が経てば経つほど手遅れになる可能性があるのだから、どうかBVAの注意喚起とアドバイスを忘れないでいて頂けると有難い。

串が皮膚から飛び出た犬は無事に回復したとのことです。

 

参考ページ:

https://www.bva.co.uk/news-and-blog/news-article/beware-the-bbq-keep-pets-safe-this-bank-holiday-weekend-as-vets-report-an-increase-in-barbecue-related-injuries/


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