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地中海東部に浮かぶキプロス共和国で起きているFIPの感染拡大に警戒するイギリス獣医師会

投稿者:武井 昭紘

地中海東部、中東に程近い島国キプロスで猫伝染性腹膜炎が流行している。その勢いは凄まじく、今年に入って30万匹の猫が犠牲になっているという。四国の半分ほどの面積を持つキプロスで飼育さている猫は約100万匹。国全土で生活する猫の実に30%が亡くなっている計算だ。

 

この事態にイギリス獣医師会が警戒感を示した。無論、同国でもFIPは発生していて、且つ、キプロスで猛威を振るうウイルスが新型とは言い切れないことを前提にはしているが、以下の対策が必要だと訴える。

◆キプロスで感染拡大しているFIPウイルスをイギリスに持ち込まないための対策◆
・検疫の強化(キプロスから輸入される猫のウイルス検査を実施して、FIP陽性症例の移動を制限する)
・イギリスからキプロスへ旅行するヒトが現地で猫に接触しないようにする
・キプロスから帰国する際に靴底とスーツケースのキャスターを消毒する

 

病原性の弱い猫コロナイルスが変異をして誕生するFIPウイルス。果たして、キプロスの「それ」は、同じヨーロッパに属する各国にとって脅威となるのか。今後、そのウイルスの実態が調査され、適切な防疫対策が講じられることに期待している。そして、犠牲となって命を奪われる猫が1匹でも多く減ることを願っている。

イギリス獣医師会は、愛猫の体調不良について不安がある場合は動物病院を訪れるように促しています。

 

参考ページ:

https://mrcvs.co.uk/en/news/22701/Outbreak-of-feline-infectious-peritonitis-hits-Cyprus


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