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バイオマーカーを用いて犬猫の急性腎障害の診断に寄与する検査のリリース

投稿者:武井 昭紘

SDMA、CRE、尿比重etc。犬や猫の慢性腎臓病を診断するマーカーは多様で、数多くが商業化され普及している。しかし、急性腎障害となると話が変わってしまう。世界的に統一された指標は無く、数あるマーカーの殆どは商業化されていないのだ。無論、そうであれば普及もしていないことになる。だが、中毒、薬物療法、麻酔、尿閉など急性腎障害を起こす病気は一次診療施設でも良く遭遇するのである。つまり、急性腎障害を診断するための検査が各国で利用可能になることが望まれているのだ。

冒頭のような背景の中、動物検査会社IDEXXは、腎組織の損傷を評価する研究で取り上げられることのあるシスタチンBをマーカーにした検査、IDEXX Cystatin B Testを今年中に北米でリリースすることを発表した。そして、同社は以下のように述べる。独自の調査によると、獣医師が遭遇する腎臓病疾患の3分の1で腎組織の損傷が起きており、推定で年間200万件もの症例に新たな検査所見を追加できるだろうと。

果たして、IDEXX Cystatin B Testは、犬猫の急性腎障害を的確に診断し、適切な治療へと誘う原動力となるか。今後の動向に注視したい。

2024年にはヨーロッパで同サービスを展開するとのことですので、その後、日本に上陸することを期待します。

 

参考ページ:

https://www.dvm360.com/view/new-diagnostic-test-for-kidney-injury


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