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スウェーデンで飼育されている犬のレプトスピラ症に関与するリスクファクター

投稿者:武井 昭紘

世界各地で発生しており、且つ、ズーノーシスであるレプトスピラ症は、罹患犬の命を奪う可能性がある感染症である。そのため、国や地域単位で有病率やリスクファクターを把握し、防疫対策を講じることが重要とされているのだ。しかし、ヨーロッパの北部、スカンジナビア半島に位置するスウェーデンでは、その有病率が分かっていないのが現状である。

 

そこで、欧州の大学らは、同国で暮らす臨床上健康な犬360匹以上を対象にして、レプトスピラ症の有病率を算出し、リスクファクターを特定する研究を行った。なお、同研究では、①凝集試験と②ELISA法によって感染の有無がチェックされている。すると、以下に示す事項が明らかになったという。

◆スウェーデンで飼育されている犬のレプトスピラ症◆
・①で約7%の犬が陽性となった
・②で約1%の犬が陽性となった
・主要な血清型が5種類であった
・最も一般的な血清型はSaxkoebingであった(約64%を占める)
・次いでCopenhagi (約14%)、Bratislava (約11%)、Icterohaemorrhagiae (約7%)、Canicola (約4%)が並んだ
・都市で暮らしていること、流れのない淀んだ水への接触がリスクファクターであった

 

上記のことから、スウェーデンでは都市型のレプトスピラ症が主流であることが窺える。また、流れていない水に接触することが感染リスクを上げることが分かる。よって、今後、都市部での犬のワクチン接種を推進するプログラムが作成され、条件に合致する水への接触を避けることを啓蒙するイベントが開催されることに期待している。

研究に参加した犬は、過去2年間において他国への渡航歴が無く、レプトスピラのワクチンを接種をしていない集団だとのことです。

 

参考ページ:

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/36273163/


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