人医療において、気道内の微生物叢は喘息の発症、進行、重症度に関連していると言われている。また、猫が呈する喘息は、ヒトの小児喘息のモデルだと考えられているのだ。つまり、猫の喘息も気道内の細菌叢から何らかの影響を受けていると仮定できるのである。
冒頭のような背景の中、ミズーリ大学は、①臨床上健康な猫と②喘息を自然発症した猫を対象にして、彼らの気道内の微生物叢を調べる研究を行った。すると、①と②の気道内の微生物叢は有意に異なっており、②ではフィロバクテリウム属およびアシネトバクター属の細菌が優勢であることが判明したという。加えて、②の35%から検出されたMycoplasma felisは①の気道から検出されないことが分かったとのことだ。
上記のことから、②の気道内の微生物叢には特徴があることが窺える。よって、今後、この微生物叢を①に近付ける方法を考案する研究が進み、呼吸器疾患を治療するプレ・プロバイオティクスが開発されることに期待している。
参考ページ:
https://www.frontiersin.org/articles/10.3389/fvets.2022.930385/full