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ヒトの回虫症と犬猫への接触との間にある関連性を調べた研究

投稿者:武井 昭紘

回虫症は世界各地で感染例が確認されているズーノーシスで、ヒトの感染に関与するリスクファクターが様々に議論されている寄生虫性疾患である。しかし、子供のみ、または、成人のみに焦点を当てたリスクファクターについては情報が不足している現状にある。そのため、感染源である犬猫への接触を避けた方が良いヒトの条件は不明確なままとなっている。

 

そこで、北南米の大学らは、過去13年間(2009~2021年)に報告された論文を基にして、ヒトの回虫症と犬猫への接触との間にある関連性を調べる研究を行った。すると、以下に示す事項が明らかになったという。

◆ヒトの回虫症と犬猫への接触との間にある関連性◆
・41の論文、20000名以上が対象になった
・抗回虫抗体の陽性率は約24%であった
・18歳未満の子供の約14%、成人の約7%が犬猫に接触していた
・犬猫への接触は子供の感染リスクのみを高めていた
・北南米、中東、西太平洋における犬猫への接触が抗体陽性となる可能性を高めていた

 

上記のことから、世界の中でも特定の地域で、そして、18歳未満の子供が犬猫に接触すると回虫に感染するリスクが高まることが窺える。よって、今後、これらの条件を満たすヒトを対象にした防疫対策を考案する研究が進み、回虫症に対する予防医学が進化を遂げることに期待している。

大学らは、犬猫の定期駆虫を実施し、彼らの被毛をシャンプーなどで清潔に保った上で、接触することを薦めています。

 

参考ページ:

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35836995/


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