ニュース

全身麻酔下でウサギの血圧を非観血的および観血的に測定した研究

投稿者:武井 昭紘

周術期のモニタリングとして、麻酔が掛けられた動物の血圧測定は重要な位置を占めている。とりわけ、周術期における死亡率が高いウサギでは、その重要性が増していると言えるだろう。そのため、①カフを用いた非観血的血圧測定よりも、正確な血圧が把握できる②観血的な血圧測定が望ましいと考えられるのだ。しかし、後者に要する技術・スキルは非常に高く、専用の医療機器も必要で、一定のリスクを伴うのが現状なのである。

冒頭のような背景の中、ヨーロッパの大学らは、一般家庭で飼育されているウサギ16匹に全身麻酔を掛けて、①と②の精度を比較する研究を行った。なお、同研究における①ではPetMAP™という血圧測定器が、②では耳介静脈にカテーテルを挿入して血圧を測定する形式が採用されている(①のカフは②のカテーテルと同じ側、左または右肘の遠位に設置された)。すると、②(3回測定して平均を算出)に比べて①(1回の測定)で測定された血圧は大幅に高くなり、正確な値を得ることはできないことが判明したという。

上記のことから、麻酔を掛けられたウサギの血圧測定にPetMAP™を適応することは難しいことが窺える。よって、今後、彼らの血圧を非観血的に測定する方法について議論され、侵襲度が低く、より安全な麻酔管理が実現することを期待している。

13 匹のウサギに経口気管挿管が行われ、1 匹のウサギには喉頭マスクが装着され、2 匹のウサギにはぴったりとフィットするフェイスマスクが使用されたとのことです。

 

参考ページ:

https://www.frontiersin.org/articles/10.3389/fvets.2023.1141480/full


コメントする