ニュース

パグが抱えている健康問題について調べた研究

投稿者:武井 昭紘

約3倍。2005年と2020年にイギリスケネルクラブに登録されたパグの頭数は、2100件程から6000件を超えるまでに増加した。しかし、言わずもがなパグは短頭種である。様々な健康問題を抱えるグループに属する品種なのだ。では実際のところ、パグは何らかの病気やトラブルに陥りやすいのだろうか。彼らの福祉を考える上で、それを明らかにすることは重要だと言える。

 

冒頭のような背景の中、王立獣医科大学(Royal Veterinary College、RVC)は、2016年の時点でイギリスの動物病院を訪れたパグと他犬種の診療記録を解析する研究を行った。すると、以下に示す事項が明らかになったという。

◆パグの特徴と彼らが抱えている健康問題◆
・パグは4300匹以上、他犬種は21000匹以上が参加した
・パグの集団は他犬種の集団と比べて若くて体重が軽かった
・パグは1つ以上の健康問題を抱えるリスクが約1.9倍高かった
・動物病院で対応する一般的な健康問題40個のうち23個についてオッズが高かった
・中でも短頭種気道症候群のオッズは約54倍、鼻孔狭窄は約51倍、角膜潰瘍は約13倍であった
・一方で心雑音、脂肪腫、攻撃性行動のオッズは低かった

 

上記のことから、パグは病気やトラブルに陥りやすいことが窺える。よって、今後、彼らの健康問題を最少限に喰い止める方法を考案する研究が進み、繁殖計画の見直しや予防医学の発展へと繋がることを期待している。そして、パグの福祉が向上することを願っている。

40の健康問題の詳細につきましては、リンク先の文献をご参照下さい。

 

参考ページ:

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35581668/


コメントする