近年、病気として認識され始めた「肥満」は、ヒトのみならず、犬猫においても大きな健康問題となっている。故に、ペットの肥満に関する研究が数多く報告されており、そのデメリット(関節のトラブル、心臓への負荷、短命)が一つずつ解明されるようになった。そこで、一つの疑問が浮かぶ。肥満になりやすい個体とは、一体どのような犬たちであろうか。特に注意しなければならない彼らの特徴を知ることは、将来負うかも知れないデメリットを未然に防ぐ上で、大変に重要なことである。
そのような背景の中、王立獣医科大学(Royal Veterinary College、RVC)は、大規模症例データベースVetCompassを用いて、犬の肥満に関する疫学を明らかにする研究を行った。すると、以下に示す事項が判明したという。
◆犬の肥満に関する疫学◆
・22000匹を超える犬の診療記録を解析した
・約7%(1580匹)の犬が肥満であった
・最も肥満になりやすい犬種がパグである(交雑種と比べて約3.1倍)
・次いで、ゴールデンレトリバー(約2.6倍)とイングリッシュスプリンガースパニエル(約2倍)が並ぶ
・シーズーとジャーマンシェパードは肥満になりにくい(交雑種と比べて約0.5倍)
・6歳~9歳未満の犬は、3歳未満と比べて約3倍、肥満になりやすい
・去勢オスは、メスと比べて約2倍、肥満になりやすい
・ペット保険に加入している犬は、していない犬と比べて約1.3倍、肥満になりやすい
上記のことから、特にパグ、中高齢の犬、去勢オスにおいて、肥満に対する細心の注意を払った方が良いと言える。よって、該当する個体を診察する獣医師は、オーナーに体重管理について啓蒙し、彼らの健康を守ることが望ましいと思われる。そして、その結果、冒頭に記したデメリットから逃れる犬が1匹でも多く増えることを願っている。

肥満になりやすい犬種TOP8につきましてはリンク先にて確認して頂けますので、是非ご参照下さい。
参考ページ:
https://www.rvc.ac.uk/Media/Default/VetCompass/210303%20Overweight%20infographic.pdf


