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冷却加圧療法~犬の前十字靭帯断裂の術後における有用性の高い疼痛管理~

投稿者:武井 昭紘

犬の靭帯断裂や骨折などの整形外科疾患は、術後の疼痛管理、患部への血行の維持(固定具による血行障害への対策)、リハビリテーションが重要であるとされている。特に、疼痛がコントロールできないケースでは、患肢を使わなくなったり、術後の回復に要する(日常生活に支障のない歩行ができるようになるまでの)期間が延長してしまう場合がある。

そこで、ハノーファーにある大学(ドイツ)およびコロラド州立大学(アメリカ)は、前十字靭帯に対する外科手術(脛骨高平部水平化骨切り術、TPLO)を受けた犬27例30カ所の症例を対象として、疼痛と腫脹を緩和させる冷却加圧療法(cold compression therapy、CCT)の有用性を検証した。供試犬は、①術前・術後にCCTを行う群、②術後に4回(6時間ごと)のCCTを施した群、③CCTを適応しない群の3つのグループに分けられ、ROM(関節の可動域)、跛行、疼痛レベル(modified Glasgow Pain Scale、GPS)にて客観的評価をされている。すると、③に比較して、①および②では、ROM、跛行、GPSが有意に改善することが明らかとなり、CCTは術後の疼痛管理に有用であることが示されたとのことである。

上記のことから、CCTの回数(または施術に要する時間)を考慮すると、②(4回)よりも①(2回)の方が、犬への術後の負担が軽減されるため、①をベースとしたCCTのガイドラインを作成することが望ましいと考えられる。今後、CCTが、前十字靭帯断裂の症例のみではなく、犬の整形外科疾患全般に臨床応用されていくことに期待したい。

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薬物療法に依存しない疼痛管理が一つでも多く確立されれば、術後のストレスや内臓への負担を軽減する(最少限にする)ことができるのではないでしょうか。

 

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