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臨床上健康な猫と尿路閉塞を起こした猫を判別する診断マーカーの開発

投稿者:武井 昭紘

げっ歯類の実験において、尿細管に存在するタンパク質の一つであるガレクチン-3の血中濃度が上昇することは、急性腎障害を示すとされている。そこで、疑問が浮かぶ。何らかの理由で尿路閉塞を起こした動物では、急性腎障害が起きる。ならば、これらの動物の血液中にて、ガレクチン-3の濃度が上昇することはないのだろうか。

 

冒頭のような背景の中、カリフォルニア大学は、①臨床上健康な猫と②尿管が閉塞した猫を対象にして、血清中ガレクチン-3濃度を測定する研究を行った。なお、①に属する猫はCREおよびSDMAが参照値範囲内で、且つ、腎臓の超音波検査にて異常が認められない個体と定義されている。また、血清中ガレクチン-3濃度は同一サンプルで2回測定されており、これらの数値の差が一定の範囲内に収まるものを採用している。すると、以下に示す事項が明らかになったという。

◆①と②の血清中ガレクチン-3濃度◆
・①(274.3±146.5 pg/ml)に比べて②(707.7±223.3 pg/ml)の平均濃度は有意に高かった
・片側の尿管閉塞と両側の尿管閉塞の症例では濃度差は無かった
・血清中ガレクチン-3濃度はCRE、体重、年齢と相関関係になかった
・500 pg/mLをカットオフ値にした場合、感度86%、特異度100%で①と②を判別できた

 

上記のことから、血清中ガレクチン-3濃度は①と②の判別に利用できると考えられる。よって、今後、猫の尿管閉塞(いずれは範囲を広くして尿路閉塞)の診断アルゴリズムに血清中ガレクチン-3濃度が組み込まれ、早期診断・早期治療が今以上に進むことを期待している。

①は15匹、②は22匹で構成されております。

 

参考ページ:

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/39873677/


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