ヨーロッパの大学らの研究、オランダの大学らの研究によると、ボーダー・コリーの特発性てんかん(idiopathic epilepsy、IE)には、品種特有とも言うべき特徴があるという。つまり、当該疾患は品種ごとに疫学が異なる可能性があるのだ。では実際のところ、他品種のIEは、どのようなものなのだろうか。
冒頭のような背景の中、オランダの大学および動物病院らは、ラブラドール・レトリバーとスタンダード・プードルの交雑種であるラブラドゥードルに着目して、彼らのIEに関する疫学を調べる研究を行った。なお、同研究では、ラブラドゥードルとして品種登録されている個体と、ラブラドゥードルとして飼育されている個体が対象になっている。すると、40匹のデータが集積され、以下に示す事項が明らかになったという。
◆ラブラドゥードルのIEに関する疫学◆
・80%以上(33匹)の個体がIEまたは①IE疑いであった
・発症年齢は2.3±1.3歳であった
・発作の頻度は5.4±6.5回/年であった(0~25回)
・33%に群発発作が認められた
・10%に重積が認められた
・7匹がTIER IIの基準を満たすと判定された(②)
・②の2匹は生後6か月未満で発作が始まった
・残りの5匹の発症年齢は8.4±1.2歳であった
・②の発作の頻度は5.0±3.0回/年であった
・①②の両方でストレスが最も多い引き金になっていた(症例の95%)
・発症年齢と頻度は飼育環境、オーナーや犬の性格に影響されていないようであった
・母集団の38%は治療を必要としなかった
・43%は1種類のみの抗てんかん薬を服用していた
・治療反応性は良好であった
・オーナーと犬のQOLスコアは高かった
上記のことから、群発発作と重積を除いて、ラブラドゥードルの特発性てんかんの経過は良好だと言える。よって、当該疾患を抱えるラブラドゥードルの診察では、オーナーに過度の心配を与えないインフォームドコンセントに注力し、要治療となった場合は1種類の抗てんかん薬でのコントロールを目指すことをお薦めする。

大学らは、ラブラドゥードルの特発性てんかんはスタンダード・プードルのそれと類似していると述べています。
参考ページ:
https://www.frontiersin.org/journals/veterinary-science/articles/10.3389/fvets.2024.1459260/full


