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特発性てんかんを抱えるボーダー・コリーに対する発作のキッカケを避ける対策の効果

投稿者:武井 昭紘

特発性てんかんを抱えるヒトおよび犬には、発作を起こすキッカケ(引き金、seizure-precipitating factors、SPF)が存在しているとされている。また、そのSPFは多種多様で、犬においてはストレス、ホルモンバランス、睡眠の質、天候などが例として挙げられるという。加えて、特発性てんかんを好発するボーダー・コリーはオーナーの様子に敏感な品種と言われており、「他者との関係性」もSPFになるのではと考えられているのである。

冒頭のような背景の中、オランダの大学らは、血縁関係の無い、且つ、特発性てんかんを抱えるボーダー・コリー6匹を対象にして、彼らに発作を起こすSPFを調べる研究を行った。すると、SPFは個体ごとに異なり、同居犬、脳を活性化するイベントの欠如、子供(自閉症)の存在、交通量の多い道路、オーナーとの関係性、ビーチでのボール遊びなどがSPFに該当することが判明したという。また、これらのSPFを回避することで犬たちの病状は改善することも分かったとのことである。

上記のことから、犬の特発性てんかんには様々なSPFがあり、それを避けることで発作が起きるのを防ぐことができると言える。よって、今後、可能な限り多く症例でSPFを特定する研究が進み、SPFリストが作成され、てんかん発作予防法が確立されることを期待している。

ボーダー・コリー以外の品種でも同様の研究が行われると、新しい知見が得られるかも知れません。

 

参考ページ:

https://www.frontiersin.org/articles/10.3389/fvets.2023.1254279/full


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