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犬がオモチャを認識する方法について調べた研究

投稿者:武井 昭紘

オーナーに指定されたオモチャを正確に持ってくる犬を見て想うことがある。彼らは、五感のうち何を使ってオモチャを認識しているのだろうか。そして、その使っている感覚が遮断された時、彼らはどう対処するのだろうか。大変興味深いことである。

 

冒頭のような背景の中、ハンガリーのエトヴェシュ・ロラーンド大学は、物体の名前を学習するこができる犬3匹と一般家庭で飼育されている犬10匹を対象にして、彼らがオモチャを認識する方法を調べる研究を行った。なお、同研究では、犬たちが一つのオモチャを認識できるようになるまで訓練し、そのオモチャを他のオモチャに混ぜた状況、そして、照明を①オンまたは②オフにした環境下における彼らの行動を観察している。すると、①と比べて②では匂いを嗅ぐ動作が増え時間が掛かるものの、いずれの環境でも特定のオモチャを認識できることが判明したという。また、物体の名前を学習するこができる犬にオモチャの名前を投げ掛けると、①②いずれでも「それ」を認識できることも分かったとのことである。

 

上記のことから、置かれた環境に応じて、視覚、嗅覚、聴覚(触覚も使っているかも知れない)を活用し、オモチャを認識していることが窺える。よって、今後、犬たちがそれぞれの感覚を使う条件について詳細に分析され、失明や難聴を抱える犬が物体を正確に認識して、何不自由なく日常生活が送れるためのトレーニング方法が確立されることに期待している。

大学は、『犬はmulti-modal mental imageを持っている』と述べています。

 

参考ページ:

https://link.springer.com/article/10.1007/s10071-022-01639-z


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