犬の歯周病は、1歳齢以上の個体にて一般的で、日々のデンタルケアで発症を予防し、動物病院スタッフによる歯科診療で治療する疾患である。そのため、デンタルケアと歯科診療の実態を把握することは、その国における歯周病に対する意識を詳らかにして獣医歯科学を発展させる上で、非常に重要なことだと思われる。
そのような背景の中、スウェーデン農業科学大学らは、国家が管理する登録簿に名前のある獣医師および動物看護師を対象にして、彼らが実施している歯科診療に関するアンケートを採る調査を行った。すると、以下に示す事項が明らかになったとのことである。
◆スウェーデン国内の動物病院における歯科診療◆
・70%以上の獣医師が全身麻酔下での歯科治療を実践している
・96%の動物看護師が全身麻酔下での歯科治療を実践している
・約30%の獣医師は鎮静下で歯科治療をしている
・約20%の動物看護師は鎮静下での歯科治療を経験している
・40%以上の獣医師と殆どの動物看護師は定期的な、全身麻酔下での歯科治療を重要視している
・80%以上の獣医師が抜歯を実施しており、殆どの動物看護師がそれを経験している
・70%以上の獣医師と90%以上の動物看護師が歯科用レントゲン装置を利用している
上記のことから、一部の症例は鎮静下で治療されており、抜歯を実施していない動物病院が存在していることが窺える。果たして、鎮静下での歯科治療は安全と言えるのだろうか。そして、抜歯が必要な症例が来院した時に「抜歯をしない」治療で対応すると、一体どのようなトラブルが起きるのか。今後、更なる調査が進められ、スウェーデン国内の歯科診療レベルが向上していくことに期待している。

本研究で対象となった獣医師・動物看護師は5000名を超えるとのことです。
参考ページ:
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33176852/


