犬猫の「てんかん」の治療に使われる代表的な薬剤であるフェノバルビタールは、ふらつき、肝障害、偽リンパ腫、汎血球減少症など様々な副作用を発現することが知られている。そのため、同薬剤使用の是非(薬剤の変更・追加)を検討するべく、それぞれの副作用が如何なる条件下で、また、どれ程の頻度で認められるのかを把握する必要があるのだ。
そこで、グラスゴー大学らは、過去10年間の診療記録を遡りつつ、オーナーにアンケートを採ることで、「てんかん」に罹患した猫にフェノバルビタールを投与した際の副作用について分析する研究を行った。すると、以下に示す事項が明らかになったとのことである。
◆副作用の発生状況とリスクファクター◆
・75匹を超える症例が対象になった
・約半数で1つ以上の副作用が報告されている
・最も一般的な副作用は、過度の鎮静である
・次いで、運動失調が並ぶ
・1mg / kg q12h増量するごとに副作用のリスクが約3倍上昇する
・別の抗てんかん薬を追加した場合も、リスクが約3倍上昇する
・投与開始1ヶ月以内に副作用が確認され、一過性であることが多い
上記のことから、抗てんかん薬としてのフェノバルビタールの効果が思う程に得られなかった時、つまりは、同薬の増量を考えたり、抗てんかん薬の追加を検討するようなケースにおいて、副作用のリスクが高まることが窺える。よって、そのような状況に遭遇した獣医師は、オーナーに副作用に関するインフォームド・コンセントを実施し、それを発見した際の対処方法を指示することが望ましいと思われる。

本研究には70匹以上の猫(約75%が特発性、25%が構造性)が参加しており、そのうち1例に重度の副作用(好中球減少症・顆粒球低形成)が発現したとのことですが、これらはフェノバルビタールの投与を中止したことで解消したそうです。
参考ページ:
https://journals.sagepub.com/doi/abs/10.1177/1098612X20924925


