発症すると100%死亡する危険な感染症である狂犬病は、世界各国で厳しい防疫対策による制御が行われており、犬に付ける管理タグ(狂犬病ワクチンの接種歴の証明など)も、その一環と言える。そのため、前述のようなタグの一例として、過去にSmart Rabies Tagを取り上げた。
今回は、Smart Rabies Tagに類似した視点で開発され、「日常生活を便利にしているシステム」も併せて応用された狂犬病管理タグを紹介したい。
同製品は、ラムジー(ニュージャージー州、米)およびビクトリア州(濠)に拠点を置くOrivet社がリリースしているOrivet Pet TAP TAGで、Near Field Communication(NFC、近距離無線通信)というデータ読み取り機能が採用されている。なお、このNFCは、taspo(タバコの購入)、マイナンバーカード、運転免許証などに組み込まれている技術である。
上記のことから、日本の狂犬病管理タグ(鑑札または済証)にもNFCが導入されれば、オーナーが不明の犬から様々な情報を引き出すことができると思われる。ただし、NFCは、対象と10cm以内に近づくことが条件となっているため、逃げ回って触れない、不安や恐怖に伴う攻撃性が表れた個体のデータを入手するには、遠距離通信システムの開発が望ましいのかも知れない。
仮に、示した課題を克服した場合、Orivet Pet TAP TAGの利便性は劇的に向上し、保護活動を行うスタッフや保護対象動物の負傷リスクを減少させるとともに、オーナーと犬を引き合わせる確率を高められるのではないだろうか。

「超」遠距離通信システムが開発され、狂犬病管理タグに導入されれば、ドローンによる広範囲捜索も可能になるかも知れません。
参考ページ:
dna.orivet.com/product/tap-tag/


