小動物臨床における整形外科治療では、術後の感染や血行障害、ケージレストが必要な時期の無理な運動による再骨折といったトラブルが、人医療よりも生じやすい傾向がある。故に、患部が治らない癒合不全に陥るケースも珍しくなく、「骨の再生を促す技術」に対する需要は非常に高いと言える。しかし、再生医療を実現させる設備投資、幹細胞の採取過程で動物にかかる負荷などを考慮すると、全ての一次診療施設が、直ちに再生医療に取り組める訳ではない。
上記のような背景の中、今月発表されたナント大学らの試験的研究は、新たな医療技術の開発に繋がる可能性を期待させる。なお、同研究は、供試犬の血液からblood for reconstruction of bone(BRB)と呼ばれる成分を抽出して、欠損した骨組織に移植する形式を採用している。
今後、研究が進み、BRB療法が確立されれば、①現在の獣医療では治療が難しい骨折(費用の高騰に悩むケースを含む)および②腫瘍性疾患等で広範囲の骨組織を摘出した症例を、その個体の血液成分で完治させる未来が訪れるかも知れない。

今回紹介した研究が広く認められれば、「BRBに含まれている有効成分とは何か?」についても、解明されていくことを願っております。
参考ページ:
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/m/pubmed/29573560/?i=1&from=dog


