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輸血療法の成績に影響を与える可能性がある犬の新しい血液型の発見

投稿者:武井 昭紘

日本の社会全体で認識されているヒトの血液型としてABO式およびRh式があり、医療現場においても、輸血を行う場合に重要な情報となる。同じように、犬にもDog Erythrocyte Antigens(DEA)という血液型(国際的には10種類以上に分類)が知られており、輸血の副作用に深く関与することが小動物臨床での共通認識である。しかし、DEAの全容は解明されておらず、議論の余地があるということが現状である。

そこで、韓国のDaegu Haany Universityは、既存のDEAとは異なる犬の血液型について検証を行って、今年6月に「2つの新たなDEA」が検出されたことを発表した。同研究によて発見されたDEAは、「Kai 1」および「Kai 2」と命名され、以下に記載する特徴を有していることも公開されている。

◆「Kai 1」と「Kai 2」の血液学的特徴◆
1.既存のDEAとは異なる構造である。
2.Kai 1およびKai 2は、「どちらか一方」または「どちらも無し」という形で発現しており、両者を同時に発現することはない。
3.不適切な輸血(血液型不適合)に伴って、Kai 1またはKai 2に対する抗体が産生される。
4.産生された抗体は、赤血球の凝集反応を起こす原因となる(2回目以降の輸血に影響を及ぼす)

上記の血液型が、世界各国で認められるかに関しては、今後の動向に注目したい。そして、仮に、輸血を必要とする症例に遭遇して、適合する血液が中々見付からない場合や予期しない輸血の副作用が起きるケースを経験した際には、今回紹介した血液型が「鍵」を握っているかも知れないと想定してみることが打開策となるかも知れない。

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犬の血液型の多様性が一つずつ解明されて、より安定した輸液療法が提供できる未来が訪れることを願っております。

 

参考ページ:

http://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0179932


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