獣医療では、共通言語が無い動物を対象とするため、人医療の小児科や意思疎通が難しいヒトの診察と同様に、傷病を抱えた本人から直接、「痛み・違和感」について問診を行うことが困難である。そのため、獣医学に関する研究分野(一例はこちらをご参照下さい)および臨床現場では、ペインスケールを用いることが多い。また、動物種により痛みに対する反応が異なる部分もあり、猫専用のペインスケール(feline musculoskeletal pain index、FMPI)のように、各動物種の特性に合わせた評価基準の設定が重要であると考えられ、特に犬猫以上に繊細なエキゾチック動物のペインスケールを作製することは、急務と言えるかも知れない。
そこで、イギリスのブリストル大学は、臨床獣医師および動物看護師にアンケートを実施して、臨床現場に側したウサギのペインスケールを設ける試みをしている。このアンケートは、オンラインで回答ができるシステムになっており、多くの獣医療従事者が参加できるようになっている。
現在までのウサギのペインスケールは、実験動物学的観点が強かったり、Rabbit-grimace-scale(RbtGS)のようなウサギの表情に注目したスケールのみであったので、同大学のオンラインアンケートをキッカケにして、ウサギの一般状態や行動学的変化に関する総合的判断を基にした「ウサギの疼痛・違和感の詳細な獣医臨床学的分析」が可能となることに期待したい。

ウサギが全身で表現している「痛み・違和感」を漏らさず把握できるペインスケールが確立されることを強く望みます。
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