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非侵襲性の経皮的温熱療法を可能とするペット用医療機器

投稿者:武井 昭紘

ペットフードの改良、獣医療の発展、飼育環境の改善などにより、小動物(犬、猫、ハムスターなど)の高齢化が進む現代において、ヒトと同様に、ある問題点が浮上している。それは、腫瘍性疾患の増加であり、ペットを飼育する上で、避けては通ることは難しい病気となっている。そのため、小動物臨床でも、外科手術、化学療法、放射線療法、温熱療法、サプリメント療法など、多様な治療法が研究・開発されている。その中で、温熱療法は、動物病院の設備によっては、罹患動物に対する侵襲性が強く、患部に電極を刺し込むなどで痛みや出血を伴うことがある。

そこで、アメリカのオハイオ州にあるMidmark Animal Health社は、「侵襲性が無い」温熱療法機器をペット専用としてリリースしている。この機器は、Thermofield®と呼ばれており、電気メスに付属しているパッド(手術台と動物の間に敷くシート)のようなものを患部または患部(深部にある腫瘍の場合)を覆っている皮膚にあてて、温熱療法が実施できるように設計されている。さらに、経皮的に深部組織の腫瘍に温熱療法を施す場合には、パッドをあてている皮膚に熱傷が生じないように調整されている。

腫瘍性疾患の治療は、ペットにとっても、ペットオーナーにとっても、身体的または精神的な苦痛を伴うことがある。今後、非侵襲性かつ高い治療効果(他の治療法を補助する効果)を有する温熱療法機器が開発されれば、腫瘍に対する外科手術、化学療法、放射線療法の治療成績の向上を図れると同時に、ペットの負担を大幅に軽減することが可能となるのではないだろうか。そうなれば、治療を開始することに足踏みをしたり、治療を断念したりする症例が減り、救える命やQOLが改善するペットが増えることになると考えられる。

医療機器が進化し続けることで、身体的または精神的苦痛を理由に治療を断念することがない医療が実現することを願っています。

医療機器が進化し続けることで、身体的または精神的苦痛を理由に治療を断念することがない医療が実現することを願っています。

 

参考ページ:

https://my.midmark.com/docs/librariesprovider4/product-pdfs/animal-health-equipment-catalog.pdf?status=Temp&sfvrsn=0.938925110964212

(参考ページはpdfファイルです。Thermofield®に関しては、94ページをご参照下さい。)


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