先日、アメリカ大統領の選挙が行われ、ヒラリー氏を破って、トランプ氏が当選した。アメリカの現大統領であるオバマ氏から、政治の経験が無いトランプ氏に変わることで、アメリカの政治にどのような変化が加わるかについて注目が集まっている。また、オバマ大統領について政治とは全く無関係なところで話題が上がっている。
それは、ファーストドック(大統領の愛犬)であるBo Obamaのことである。厳密に言うと、Bo Obamaと同一の犬種であるポーチュギース(ポルトガル)・ウォーター・ドックについてフェイスブックやツイッターなどのSNSでの情報発信が絶えない状況である。インターネット上で、ポーチュギース・ウォーター・ドックの愛好家は、愛すべきポイントについて熱く語っている。
その反面で、ポーチュギース・ウォーター・ドックは、様々な獣医学的な問題点を抱えている。そこで、今回は、ポーチュギース・ウォーター・ドックが罹患しやすい疾患に関して記載する。
1.リソゾーム蓄積症
酵素の欠損に伴う高分子の物質の蓄積によって、神経障害が発生する疾患である。2ヶ月齢から症状が認められ、8ヶ月齢になる頃に斃死する病気であり、常染色体劣性遺伝であることが知られている。
2.拡張型心筋症
5週齢から7ヶ月齢という非常に若い時期に発症し、致死的経過をとる心疾患である。ペンシルバニア大学で遺伝子検査が確立され、臨床現場でも使用できるようになっている。
3.内分泌疾患
他の犬種と比較して、ポーチュギース・ウォーター・ドックは、甲状腺機能低下症および副腎機能低下症(アジソン病)を起こしやすいとされている。
ポーチュギース・ウォーター・ドックが罹患しやすい疾患は、遺伝性のものが含まれているため、罹患犬やキャリアの犬を繁殖に用いないことで予防ができる。そのため、アメリカにおいては遺伝的な要因を排除することで、上記の病気が起きないようにコントロールされつつある。仮に、日本の臨床現場において、ポーチュギース・ウォーター・ドックを診察する機会があった場合は、犬種特異的な疾患を抱えていないかについて充分に注意を払う必要があるかも知れない。

ファーストとして注目されているのはレディだけではないようです。
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