獣医療において、疼痛管理は予後にも関わる重要なポイントである。しかし、ペットとヒトは詳細な会話は不可能であって、診察の中で、ペインスケールなどを用いて痛みの程度を推し量ることで、疼痛管理の精度を上げていくしかない。このような現状の中で、優れた鎮痛薬の開発は常に望まれており、臨床研究も盛んに行われている。今回紹介する鎮痛薬は、現在流通している鎮痛薬の性質に加えて、デメリットをカバーする機能をを持ち合わせたものである。
1.Simbadol(Zoetis)
通常、オピオイド系薬剤は、時間単位で効果の長さが決まっている(短時間型、長時間型など)。しかし、Simbadolは24時間効果が持続する特徴があるブプレノルフィンで、猫の術後管理(特に術後3日間)のために開発された。この薬の登場により、鎮痛薬の投与回数は大幅に減少し、1日1回の投与で疼痛管理が可能となる。
2.Galliprant(Aratana)
犬の鎮痛薬の代表格はCOX阻害薬であるが、この薬は別の作用機序をもったNSAIDである。Galliprantは、プロスタグランジンE2受容体拮抗薬として機能し、骨関節炎の炎症を抑制する。COX阻害薬での鎮痛が上手くいかない症例において使用を検討することが良いかも知れない。
3.リポソーム型ブピバカイン
局所麻酔薬に使用されるブピバカインに徐放性の特徴を付加した製剤で、局所麻酔の持続時間を延長する効果がある。犬の前十字靭帯断裂などの整形外科で利用されている。
今後、鎮痛薬の研究および開発が進み、「鎮痛薬が進化」すれば、疼痛管理において、ペインスケールや薬剤への反応(効果、副作用)を考慮しながら、多様な選択肢が生まれると考えられる。そうすれば、痛みで苦しむ犬猫がいなくなる未来が来るかも知れない。

直接の会話が成立しないペットの痛みを無くせる鎮痛薬が開発されれば、ペットのQOLは大きく改善すると期待できる。
参考ページ:
http://veterinarymedicine.dvm360.com/great-dane-great-pain-warning-happy-ending
https://www.zoetisus.com/products/cats/simbadol/home.aspx
http://www.aratana.com/wp-content/uploads/2016/06/GALLIPRANT-PI-240x220mm-1Jun16.pdf


