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猫の副腎皮質機能低下症の特徴を調べた研究

投稿者:武井 昭紘

犬の副腎皮質機能低下症では、低Na血症と高K血症が生じてNa/K比が低下することが知られており、イギリスの大学の研究によると、嗜眠、食欲不振、嘔吐といった症状が一般的であるとされている。一方、猫の副腎皮質機能低下症は非常に稀で、大部分の報告では電解質の乱れに焦点が当てられている。そこで、疑問が浮かぶ。猫の副腎皮質機能低下症では、どのような症状が発現するのだろうか。

 

冒頭のような背景の中、欧米の大学および動物病院らは、副腎皮質機能低下症と診断された猫40匹以上を対象にして、彼らの診療記録を解析する研究を行った。すると、以下に示す事項が明らかになったという。

◆猫の副腎皮質機能低下症の特徴◆
・症例の年齢は中央値で5.7歳(0.2~13.8歳)であった
・56%がオスで、44%がメスであった
・約88%の症例で電解質の異常が認められた
・診断時に低体温、脱水、虚弱を起こしている可能性が高かった
・電解質に異常が無い症例に比べて異常がある症例では嘔吐を呈する可能性が高かった
・約32%の症例で高Ca血症が確認された
・約10%の症例が膵外分泌不全を抱えていた
・膵外分泌不全の症例全てがコバラミン欠乏症に陥っていた
・約5%の症例ではリンパ腫に続発して副腎皮質機能低下症が起きていた
・約85%の症例が無事に退院した

 

上記のことから、一部の症例で電解質の異常は認められず、反対に高Ca血症や膵外分泌不全が認められることがあるようだと分かる。また、臨床症状は非特異的だと言える。よって、電解質の異常が認められた場合は勿論のこと、該当する非特異的症状や高Ca血症を呈する猫の診察では、副腎皮質機能低下症の可能性を頭の片隅に置いておくことが望ましいと思われる。

生存期間は平均で20235日(294~4380日)であったとのことです。

 

参考ページ:

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/39660757/


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