線維芽細胞増殖因子(fibroblast growth factor、FGF)-19は、消化管(腸)に食べ物が入ることで放出される胆汁(胆汁酸塩)、つまり胆嚢が空になることによって誘発されるホルモンであり、ある研究によると、犬の摂食行動に伴う胆嚢の動きに応じて増減する特徴を有しているという。そこで、疑問が浮かぶ。超音波検査の画像を見て思うことだが、胆嚢の機能が障害されているように思われる犬の胆嚢粘液嚢腫(gallbladder mucocele、GBM)では、FGF-19が変動しているのだろうか。
冒頭のような背景の中、アメリカおよび韓国の大学らは、①GBMの犬と②消化器・胆道系に異常が無い犬の臨床検査所見を比較する研究を行った。なお、同研究では、市販のキットを用いて空腹時の血漿・血清中FGF-19濃度が測定されている。すると、②(中央値145.3pg/mL、36.5~285.1pg/mL)に比べて、①のFGF-19濃度(中央値14.0pg/mL、12.8~67.2pg/mL)は有意に低いことが判明したという。
上記のことから、FGF-19の変動は犬の胆嚢粘液嚢腫と関連していることが窺える。よって、今後、血漿・血清中FGF-19濃度をコントロールする方法を考案され、その方法が犬の胆嚢粘液嚢腫を予防し、また治療できるか否かを検証する研究が進むことを期待している。

①は7匹、②は42匹で構成されていたとのことです。
参考ページ:
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/39134090/


