気管虚脱を患った犬の主な症状と言えば、①発咳である。また、当該疾患の重症度はX線検査(透視を含む)や内視鏡検査にて評価され、「気管の内径がどれ程に狭まったか(②)」によって決定される。しかし、①と②の関連性については情報が充分ではないという。果たして、②が重症であれば、①も重くなるのだろうか。
冒頭のような背景の中、韓国のソウル大学校は気管虚脱を診断された小型犬を対象にして、①と②の関連性を調べる研究を行った。なお、同研究では、透視検査によって②を評価している。すると、130匹以上のデータが集積され、以下に示す事項が明らかになったという。
◆犬の気管虚脱の重症度と臨床症状の重症度◆
・最終的に110匹のデータが正式に採用された
・症例の年齢は2~19歳であった
・性差は無かった
・約97%の症例がBCS4以上であった
・母集団を構成する主な品種はマルチーズ、ポメラニアン、プードル、チワワであった
・虚脱の程度が最も重い場所は気管分岐部であった
・②の程度はBCS(高いこと)と体重(軽いこと)に関連していた
・一方で①の重症度とは関連していなかった
・減量、環境改善、薬物療法によって約87%の症例で症状が改善した
上記のことから、①と②には関連性が無いことが窺える。しかし、②の程度に関連しているBCSを減少させることは症状(①)の改善に繋がることも示された。よって、今後、更なる研究が進み、最も重要な治療ターゲット(①か②か、あるいは他にあるのか)について議論が深まり、犬の気管虚脱に対する効果的な治療法が確立することを期待している。

研究に参加した犬は、2022年~2024年の間で気管虚脱の診察を受けております。
参考ページ:
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/39205804/


