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ドイツの動物病院が採取した犬猫の様々なサンプルを用いた細菌検査とMRSA

投稿者:武井 昭紘

抗生剤が効かない耐性菌は、人医療でも動物医療でも、ヒトや動物の命を奪う大きな脅威であるとされている。そのため、耐性菌の実状を把握し感染対策を強化することが重要なのだ。そこで、本稿では、ドイツの動物病院が採取した犬猫の様々なサンプルを用いた細菌検査の結果を纏めた研究を紹介したい。そして、深刻度を実感し、日々の診療に役立てて頂けると幸いである。なお、同研究はメチシリン耐性ブドウ球菌に主眼をおいており、詳細は以下の通りとなっている。

 

◆ドイツの動物病院が採取した犬猫の様々なサンプルを用いた細菌検査とMRSA◆
・2019 年 1 月〜2021 年 12 月においてサンプルを収集した
・ドイツ国内の3500軒弱の動物病院が参加した
・175000件以上のサンプルが得られた
・そのうち約5500件で黄色ブドウ球菌が検出された(母集団の3.2%)
・同菌は犬(2%)よりも猫(約6%)で多く検出された
・黄色ブドウ球菌の約18%がメチシリン耐性だった
・猫(約16%)よりも犬(約20%)で多く検出された
・犬の創傷から採取したサンプルで検出率が高かった(32%)
・その他として軟部組織や呼吸器などからも検出された

 

人医療において、外来患者から分離された黄色ブドウ球菌の5.4%がMRSAだとする報告がある。この報告と比べると、今回の研究における犬猫の検出率は18%と非常に高い。3倍以上である。果たして、原因・要因は一体何であろうか。人医療より動物医療で抗生剤が乱用されているということであろうか。これ以上、事態が深刻にならないために、抗生剤の使用について改めて議論されることを期待している。

本研究に参加した動物病院の軒数は、ドイツ国内の動物病院の33%を占めているとのことです。

 

参考ページ:

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/39007221/


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