犬猫の糖尿病の治療にはデメリットがある。それは、生涯に渡って当該疾患に対抗するべく、毎日のインスリン投与を欠かせないということだ。そして、それを理由にしてか、アメリカでは、糖尿病が判明した犬のオーナーの実に40%が診断から1日目にして安楽死を選択するのである。この最大のデメリットを如何にして克服するべきか。無論、インスリンの投与を辞めれば良いのだが、そうすると罹患犬には死が待っている。元も子もない話だ。しかし、この話が実現できればデメリットは解消される。糖尿病を抱える動物の治療は刷新されるのだ。
冒頭のような背景の中、イギリスの王立獣医科大学(Royal Veterinary College、RVC)は、猫の糖尿病を「寛解」させてインスリン投与から脱却する食餌療法に関する研究、REGLUCATをスタートした。なお、同研究は、2年前の時点で糖尿病を診断されていて、且つ、1日2回のインスリン投与を受けているBCS6(9段階評価)以上の猫を対象としており、12週間の食餌療法に続く12ヶ月のフォローアップにおいて、その罹患猫の血液、尿、糞便(腸内細菌叢)を解析する形式だとのことである。
45%。イギリスで飼育される猫の約半分が肥満だと言われている。そして、54000匹以上。同国には、糖尿病を発症した猫がこれだけもの数で存在していると推計されている。果たして、食餌療法で糖尿病を乗り越える猫は、それくらいの割合に達するか。本研究に多くの罹患猫が参加し、寛解する症例が続出することを願いつつ、今後の動向に注視したい。

研究に参加する猫は2022年6月まで募集され、研究の結果は2023年に発表される予定だとのことです。
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