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SUBシステムを適応した移行上皮癌の犬に発生した皮膚腫瘤

投稿者:武井 昭紘

ジャック・ラッセル・テリア(12歳、不妊メス)が、頻尿と有痛性の排尿困難を主訴に動物病院を訪れた。診察の結果、膀胱三角および尿道に移行上皮癌(Transitional cell carcinoma、TCC)が発生していることが判明。そして、TCCの診断から2週間後、尿管閉塞を伴う高窒素血症を併発。そのため、尿管ステント留置術が適応されたとのこと。しかし、手術は成功しなかった。次の手として、皮下尿管バイパス(subcutaneous ureteral bypass、SUB)システムが選択された。すると、本症例に「ある現象」が起きてしまった—–。

2回目の手術から2ヶ月が経過したところで、皮膚に腫瘤ができたということで再来院。その場所は、SUBシステムのアクセスポートがある部位に一致。そこで、細胞診を実施した。採取された細胞は、移行上皮癌を示していた。この事実が確認されてから1ヶ月も経たないうちに、病変部は潰瘍へと発展。罹患犬は痛みを訴え、彼女のQOLは低下した。

 

この症例は安楽死されたという。

尿路に発生した移行上皮癌が、手術によって播種してしまったことが引き金になった。報告を上げたミネソタ大学は、こう述べる。同癌の細胞診、生検、手術は要注意とよく言われる。今回紹介した症例は、その現実を教えてくれているのではないだろうか。よって、今まさにTCCの犬を診察している獣医師は、「播種」に細心の注意を払って頂けると幸いである。

膀胱三角および尿道のTCCは、CT検査、膀胱鏡検査、組織学的検査によって診断したとのことです。

 

参考ページ:

https://avmajournals.avma.org/doi/abs/10.2460/javma.258.8.877


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