2018年11月、アメリカの大学と韓国の大学らによって、悪性腫瘍の存在を証明するバイオマーカーに関する研究が発表された。具体的には、腫瘍の発生に伴って細胞外へと流出し、哺乳類の細胞内に局在するcAMP依存性プロテインキナーゼ(CPKA)に対する抗体を測定する研究で、これにより「悪性腫瘍の存在を証明」する手法は確立された。そして、次の課題が生れる。それは、一般の動物病院でも実践できる測定法を開発することである。
そこで、韓国の獣医科大学らは、健康な個体群、腫瘍以外の疾患を抱える症例、良性腫瘍症例、悪性腫瘍症例の4つにグルーピングした犬550匹を対象にして、CPKAに対する抗体をキットで測定する研究を行った。すると、前三者よりも悪性腫瘍症例において、有意に高い測定値が得られることが明らかになったとのことである。
上記のことから、本研究で使用されたキットは、悪性腫瘍の存在を確認する有用な手法だと考えられる。よって、今後、同キットの感度(約81%)および特異度(約87%)を向上させる研究が進められ、高精度の検査法によって担癌犬を早期に発見できる未来が、1日でも早く訪れることを願っている。

今回紹介したキットが、悪性腫瘍を抱えているかもしれない愛犬の病理検査を躊躇っているオーナーにとって、取り組みやすい検査法になることを期待しております。
参考ページ:
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32707843/


