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高流量鼻カニュラ酸素療法を呼吸困難を呈している短頭種に適応した研究

投稿者:武井 昭紘

パグ、フレンチ・ブルドッグなどの短頭種は、ひと度、麻酔から覚醒する過程で呼吸困難に陥ると、その状態から回復しづらいことが知られている。そのため、呼吸困難から回復させる応急処置の確立が常に求められているのだ。一方、話は変わるが、人医療・獣医療では、加湿・加温した酸素を症例の鼻腔に提供するHigh-flow nasal cannula (HFNC) oxygen therapy、日本語に訳すと「高流量鼻カニュラ酸素療法」というシステムが確立されている。つまり、この療法を、呼吸困難に陥った短頭種に適応すると、麻酔からの回復をサポートしてくれると仮定できるのである。

そこで、オンタリオ獣医科大学は、全身麻酔後に上部気道閉塞の兆候を認めた短頭種にHFNCを用いる研究を行った。すると、HFNCは、短頭種の顔に良くフィットするとともに、彼らの呼吸困難スコアを低下させる効果を有していることが判明したとのことである。

上記のことから、高流量鼻カニュラ酸素療法は、麻酔をキッカケにして呼吸困難となった短頭種の安全な覚醒を促すことが窺える。よって、今後、本研究を発展させ、北米の大学らが発表したBRiskスコアによって術後に急変する可能性が高いと判定される短頭種を対象にして、同酸素療法を予防的に使用する研究が実施されることに期待している。

BRiskスコアにつきましては、リンク先の記事をご参照下さい。

 

参考ページ:

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32542930/


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