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猫の皮下組織を縫合する3つの手技から「理想」を選んだ研究

投稿者:武井 昭紘

皮下組織の縫合は、体表に発生する腫瘍の摘出や開腹を伴う術式において、皮膚縫合の前に適応される基本的な外科手技の一つとして広く認識されている方法である。しかし、この縫合の具体的な手順となると、動物病院ごと、あるいは、獣医師一人ひとりで異なることが非常に多く、どのような手法が、術者(新人の獣医師を含む)や動物にとって、「理想的」であるかについて、客観的に示されたデータに乏しいという現状にある。

 

そこで、コーネル大学の付属動物病院は、卵巣子宮全摘出術を受けた猫(約300例)を中心にして、以下の3つの皮下組織縫合法で発生する合併症および疼痛を比較する研究を行った。

◆皮下組織を縫合する3つの方法◆
①腹直筋鞘を通した単純連続縫合
②単純連続縫合
③皮下組織の縫合なし

すると、①では②③よりも漿液の排出が少なく、③では①②よりも疼痛を感じやすいことが判明したとのことである。

 

上記のことから、動物が感じる痛みを抑えるために、皮下組織は縫合することが望ましく、術野で産生される漿液を減らす観点から、②よりも①が「理想的」であると考えられる。よって、皮下組織の縫合に悩む獣医師は、①または②を試してみることが良いのではないだろうか。

皮下組織を単純結紮する手法でも同様の研究が実施され、かつ、各手技において、縫合部位が癒合する時間についても比較されると、更に理想な縫合方法が浮かび上がってくるかも知れません。

 

参考ページ:

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/m/pubmed/31664719/


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