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野生タヌキの疥癬症 実際に目撃

投稿者:AsaT

先日、横浜の山手あたりで「白いたぬきを見た」という情報を、VetAnimallに登録してくださっている獣医師の先生よりいただきました。おそらく、野生のタヌキで疥癬症のため白い毛になっていると考えられます。

たぬきの疥癬症について調べたところ、色々な場所で目撃されていることが分かりました。そこで今回は、たぬきの疥癬症についてまとめました。

 

<疥癬症とは?>
疥癬症は皮膚にヒゼンダニ(疥癬虫、Sarcoptes scabiei)類が寄生する皮膚の病気で、接触することでうつるとされ、強い痒みから体をかきむしったり、脱毛がみられます。

脱毛や毛が薄くなることで体温調節ができなくり、低体温で衰弱したり、免疫力が低下して他の病気に感染することも。場合によっては死に至ります。

 

<人やペットの犬猫にもうつる>
ヒゼンダニには種類があり、種ごとに寄生する動物が異なっています。

・ヒゼンダニは人などに寄生する。
・イヌセンコウヒゼンダニ、イヌミミヒゼンダニはタヌキ、キツネ、イヌに寄生する。
・ショウ センコウヒゼンダニはネコ、ハクビシン、アライグマにも感染することがある。

つまり、疥癬症のたぬきがペットの犬と何らかの形で接触すると、感染してしまう可能性があります。ダニがどんどん増殖してしまうのです。

たぬきの疥癬症を引き起こすダニは人には寄生しないため増殖はしませんが、一時的に激しい痒みを引き起こすので、医療機関の受診が必要になります。

どの動物にどの種のヒゼンダニ類が寄生するのか不明点が多く、ヒセンダニがどうやって特定の動物を見分けているのかも明らかになっていません。今後、新たな動物から人への感染が報告される可能性もあります。

 

<間違う場合もある?>
・たぬきは冬毛→夏毛に変わる際に毛が薄くなることがある。
・夏毛は薄い
・生まれてまもない時は毛が短く、幼獣は毛が短い。

 

<見つけた場合は?>

・『人獣共通感染症』のため人にも感染することがある。
・絶対に触らない
・ペットの犬猫を近づけない
・どうしても接触しなくてはならない場合は(自宅や畑の敷地内で弱っている)、
役所か行政の野生鳥獣窓口まで連絡をする。

 

<ペットを飼っている方に伝えられること>

ペットを飼っている方は、野生動物にも優しい方が多いかもしれません。
弱っているたぬきや野生動物を保護して動物病院に来院することもあるかもしれません。
そういった地域の方や飼い主さんへ「たぬきの疥癬症」があることを、病院などのHPや待合室などでお知らせや掲示板などで伝えることも大切かもしれません。
大切なペットや人にも感染が広がらないよう、正しい知識を持って接して行くことが大切になります。

 


野生タヌキの疥癬症 実際に目撃(写真と記事は関係ありません 写真:Photo AC)

 

参考URL

よこはまズーラシア
http://www.hama-midorinokyokai.or.jp/zoo/zoorasia/details/post-1323.php

東京タヌキ探検隊!
http://tokyotanuki.jp/tokyotanuki1007.pdf

「危険生物.information」
https://kikenseibutsu.info/raccoon-dog-27c/

 

 

 

 

 


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