身体検査の時点で貧血を疑うことができる。その検査項目の一つに聴診が挙げられる。貧血によって血液性状が変わるためだろうか、心雑音やギャロップが発生するとされているのだ。そこで、疑問が浮かぶ。実際の症例において、貧血と聴診における異常所見の関連性はどのようなものなのだろうか。
冒頭のような背景の中、王立獣医科大学(Royal Veterinary College、RVC)は、過去1年間(2021年5月~2022年5月)に救急外来を訪れて輸血療法を受けた猫の診療記録を解析する研究を行った。なお、同研究では、心臓に構造的な異常を持つ症例は除外されている。すると、180件以上の貧血症例が集積され、以下に示す事項が明らかになったという。
◆貧血の猫にみられる聴診上の異常所見◆
・①症例の30%で心雑音が聴取された(②貧血ではない猫では11%で聴取された)
・①と②の有病率には有意差が認められた
・心雑音が聴取される可能性はPCVが16%未満の症例で高まった
・①症例の14%でギャロップが聴取された(②貧血ではない猫では4%で聴取された)
・①と②の有病率には有意差が認められた
・ギャロップが聴取される可能性はPCVが11~20%の症例で高まった
上記のことから、貧血に伴った聴診上の異常所見は一定程度の割合で認められると言える。また、PCVのレベルによって異常所見の種類は変わることが示唆されている。よって、聴診で異常を感知した猫では、循環器・呼吸器は勿論のこと、貧血の有無を確認することをお薦めする。

心エコー図検査を実施した貧血症例17匹のうち、9匹で心室拡張(左室壁の肥厚は無し)が確認されたとのことです。
参考ページ:
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/39558465/


