ペットを飼っていると、不測の事態が起きることは珍しくない。異物を飲み込んだり、交通事故に遭ったり、見知らぬヒトを噛んでしまったりなどなど。
今回、紹介する事例は、「謎の負傷」である。
アメリカのテキサス州にコディ(4歳齢、18kg)というシェルティーが住んでいる。ある日、コディのオーナーが外出から帰宅すると、コディが瀕死の重体となっていた。コディは、右半身(頚部から胸部を中心)に大きな傷を負っていたのである。
コディのオーナーは、すぐに動物病院にコディを連れて行ったが、傷の大きさと出血の状況から安楽死を覚悟していた。しかし、獣医師は治療を薦めて、オーナーを説得した。
患部は、大きく損傷していたため、すぐに縫合処置をすることはできなかった。そこで、獣医師は創傷治療を施し、肉芽形成が起きるのを待つことにした。そして、治療開始から5日後、縫合処置が行える状態へと患部が回復したため、手術(フラップ形成術とドレーンの設置)を行い、細菌の感受性試験に基づいて抗生剤療法が実施された。
その後、コディは順調に回復し、無事に帰宅した。一時は瀕死となり、オーナーの頭に安楽死が浮かぶほどであった状態から快方に向かった。治療が成功した裏には、獣医師の冷静な判断があったのかも知れない。
しかし、獣医師の診察の結果でも、負傷の原因は不明なままである。治療にあたった獣医師の推測としては、コヨーテまたは犬が噛みついて、振り回したのではないかということである。
日本にはコヨーテはいないが、野生動物やペット(犬)は多いため、同様の事例は起きる可能性がある。動物病院の患者さんに予想もしない事態が起きた時は、飼い主さんが獣医師を頼ってきてくれる(頼りやすい)環境の整備と獣医師の冷静な判断力が、重要であると考えられる。

予期しない事態が起きた時について、日頃から飼い主さんと打ち合わせをすることも重要な獣医師の仕事かも知れません。
参考ページ:
http://veterinarynews.dvm360.com/after-vicious-attack-sheltie-back-brink


